快晴。白い満月の朝。

職場のおっちゃんが亡くなった。急だった。十二指腸に穴が空いて、そこから出血。最後はショック死だった。そんなになるまでどうして我慢してたの。がんばったの。外野としてはあれこれ言いたくなる。

憎めないおっさんだった。めちゃくちゃ適当でね。でもへへって笑われると許せちゃう。実はよく気がつく人だったんだけどね。僕がここ来た頃は不安で仕方なかったけどこの人見るとなんか安心できた。よくたばこせがまれて一緒に吸ってた。

一段落ついてほっとしたら、だめだね。こんなに近い人を亡くしたのは初めてでね。おじいちゃんも親戚のおじさんもよく家に来てくれた方もなんか僕にとっては遠い存在だったから。

悲しいことが起こるのもメッセージなのかな。僕に足りない気持ちを送ってくれてる。そう思いたいけど、今はだめだ。もう少し時間がほしいよ。