まだ眠りたくないよ、と虫たちの声。いつでも土曜日の夜。

風呂マットを干して、はらった埃が舞う様子をぽかんと見ていた。朝日。埃もストレスと一緒でダマになっている。その中身は糸クズに誰かのすね毛にレシートの端切れ。なんてことのないものたち。でも積もり積もってネズミみたいになったのは、なんだか汚く感じる。かじられそうだ。よくよくはらって部屋に帰る。

今、月の形は、オレンジ色の半月。この後満ちていくのか欠けていくのか、そんなことはもう決まっているし、すぐ変わっていくけど、ついつい占ってしまう。気づくといつも答えのないものばかり求めているから、少しだけ明かりがほしいんだと思う。

力を抜くってこういう感じなんだな、と実感できている。音楽にも本にも映画にも、すっと入っていける。切羽詰った状況の中にも、必ず隙間があるんだと思う。目には見えない隙間。目には見えないけど、目をつぶってはいけない。さっきくるりの新譜が届いた。今夜はどっぷり浸かりたい。