ショッピングモールの屋上から渡り烏の群れが一斉に舞い上がる。地球の鱗が剥がれていく。雪起しが鳴る。

山陰の雪は湿っていて重たい。沁み込むような寒さがある。よく積もるから冬は早起きしないといけないのです。学生時代に住んでいた奈良は雪こそ積もらないものの乾いた冷たい夜風が吹いて、これがたまらない。刺すような寒さだった。修行に行っていた滋賀は雪も積もるし風も冷たい。でも湖岸道路は気持ちいいよね。鮒子まぶしって知ってる?あのねあのね。俺は何の話をしているのだろう。あなたの街にはどんな雪が降るのでしょう。

ずいぶん遠回りをしているけど、一発逆転を狙おうとかそういう野望も特に無い。ただ動きたい。成長なんて意識しない。座右の銘も格言めいたものもいらない。そういうのは死に際にぼそっと言えればいいと思っている。「恋する男ってのはな、みんなストーカーみたいなも…の…うっ…」そうだね。正当化だね。

わたしは勝手にあなたの穴に落ち、そこから勝手に這い出てきた。今、あなたに言いたい。お互いよくやってますね、と。