街灯の少ない田舎の夜空には星たちが力強く瞬く。その中でオリオン座だけがくっきりと浮かび上がる。何故オリオン座だけなのかというと、オリオン座くらいしか星座を知らないからである。

カブの色が悩ましい。たんぽぽみたいな黄色も可愛らしいし、たんぽぽの葉みたいな深緑も渋い。たんぽぽが見上げる空みたいな青も爽やかだし、萎んだたんぽぽを包み込む夕闇の紺も素敵。たんぽぽの綿毛のような白もロマンチックだし、それを追いかける犬のようなベージュも憎めない。たんぽぽ大好きかよ。たんぽぽ大好きだよ!!しかし俺はなんだかんだでねずみ色が欲しい。その場合はほぼ中古車である。せっかくなら新車を買って永くお供してもらいたい。でもねずみ色が欲しい。悩ましい。

天井に壁に、ぶつかりながら飛び回る大きな蛾は何を知らせる。

思えば友人たちとしばらく会っていない。連絡すら取らない。全ての連絡先をあの時消してしまったのだ。それどころか携帯も解約し、ラインも辞め、ただ寝ていたあの時。でも不思議と会いたいとも思わない。こんな風に書くとやっぱり俺はどこか壊れているよな、とも思うけれど、なぜか自然な気もする。なるべくしてなった。こんなご時世だし、どの道今はひとりで居るべき時期なのだろう。

痛々しい。もう辞めてしまおう。

朝7時には色たちも息を吹き返すようになった。既に2月も半ばなのだ。季節の変わり目。生まれるもの、壊れるもの。なるべく書かないが、ぐらぐらな日もある。不安だってもちろん今も消えはしない。それも一週間の距離が守ってくれている。心を委ねながら動いていく。

何を、バカバカしい。

オリオン座だけではあるまい。わたしはもっとたくさんを知ってもいい。