窓はいつも大袈裟だ。その外には何か大層なことが待っていそうな気にさせる。溢れる可能性。とんでもない挫折。そんなものは全て幻だ。何も待ってはいない。天使も悪魔も待ってなどいない。日本に生まれた俺の外界には八百万の神様たちが闊歩し、俺の姿を見つけては"ま、ええんちゃう?"とか言って通りすがるのみ。

木漏れ日が笑っている。目を細めて。髪を掻き上げて。サーっと、その手が耳に触れた。分かったのは黙っていたから。何の意図も無い微笑み。何の意図も無い抱擁。今ここで勝手なのは私だけだ。そしてそれすら許される。とても静かに。

道の本質とは何か。道は通るために、繋ぐために、続けるために、区切るために、道している。そして道は未知満ち満ちて見違えたようにミッチーを噛みちぎる。はへ?