どうせ忘れることなどできないのだから、君からもらったあれこれを発酵させてパンでも焼こうか。うむ、これだな。
最近になって思うのは、お互い見ていたのはお互いの閉じ込めていたものなのかもな、ということ。俺は君の小さい君を見ていて、君は俺の犬を見ていた。俺と君は結構違うタイプだけど、閉じ込められているものの声に敏感なところは似ていたのだと思う。
君は俺の犬を救うことで、君のその子を救おうとした。俺は君のその子を救うことで、俺の犬を救おうとした。でもやっぱり、"救う"っていうのはわからない。救うって結局何なんだ。どうなったら救われたと言えるんだ。
うーむ、あんまり突き詰めると信仰の世界になってくるからこの辺にしとくか。こういう形だったのではというお話でした。
ゆっくり丁寧に磨いていこう。大切な思い出なのだから。